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近隣騒音トラブルの対処 ~工事業者の作業音編~

近隣騒音トラブルの対処 工事業者の作業音編

近隣騒音トラブルの対処
~工事業者の作業音編~

「突然隣のマンションの解体作業が始まった」「向かいの工場が昼夜問わず稼働しており、常に大きな作業音がしてうるさい」など、工事や作業には騒音問題がつきものです。今回は、工事業者の作業音が原因の騒音トラブルとその対処法についてまとめました。

 

工事業者の騒音は法律で対処可能

工事業者の作業音は、「業務で発生する騒音」に分類されます。「業務で発生する騒音」の場合、騒音規制法によって、許容される騒音が厳密に定められています。騒音レベルが騒音規制法に抵触しない場合でも、騒音による被害が「諸般の事情を総合的に考察して、一般社会生活上受認すべき限度を超えていると判断される場合」には損害賠償請求などが認められることがあります。

逆にいうと、「隣の工事がうるさくてストレスを感じた」からといって、全てが損害賠償や慰謝料請求の対象となるわけではないとも言えます。

 

騒音規制法とは

騒音規制法は、工場や事業所における騒音や建設工事、自動車の騒音について必要な規制を行い、国民の健康を保護する目的で定められています。工場の場合、機械プレスや送風機など、著しい騒音を発する機械が主な対象です。建築作業現場では、杭打ち機の音などが対象となります。

これらの騒音が予測される現場に対して、都道府県知事が規制を行う地域を指定するとともに、環境大臣が規制基準値や時間帯・区域などの区分を決めています。規制対象となる特定施設には、市町村長が必要に応じて改善勧告などを行う仕組みです。

規制基準値は時間帯・地域の区分によって異なりますが、最も厳しい第一種地域で昼間45-50デシベル、それ以外の時間帯は40-45dBとなっています。最も基準が緩い第4種地域でも、朝・昼間・夕の時間帯で70dB以上を超えることは許されません。

 

工事による騒音トラブルを解決するためにやっておきたいこと

工事業者の作業音による騒音トラブルを解決するためには、「騒音の客観的な証拠を押さえる」ことが最も大切です。施工業者に連絡する場合はもちろん、自治体や警察などの公的機関や弁護士に依頼する場合も、客観的な証拠に基づいて話をした方が、より良い対応を受けることができます。

 

音が出る時間帯や内容を記録しておく

生活騒音の場合と同様に、騒音の聞こえてくる方向・時間帯・どんな音かなどを記録しておくことはとても大切です。工事に伴う騒音は音量がかなり大きいことが多いので、録音してみるのも良いでしょう。

 

健康被害が出ている場合は、症状なども詳細に記録しておく

騒音によるストレスが原因で何らかの症状が出ている場合は、その症状や出現する時間帯なども詳細に記録しておきます。あとで慰謝料請求などを行うときに、「いつから症状が出ているか」「症状は徐々に悪くなっているか」についての記録が残っていると、騒音と健康被害が関係していることを証明しやすくなります。

 

騒音計で音量を測る

工事に伴う騒音の場合、前述の通り騒音規制法で基準値が定められています。騒音計を貸し出してくれる自治体も多いので、一度問い合わせてみると良いでしょう。スマートフォンのアプリでも音量計が出ています。また弁護士に依頼すると、費用はかかりますが、裁判の際に証拠としても使えるよう高い精度で測定してくれることもあります。

工事の騒音による苦情は誰・どこに言えばいいのか

騒音の客観的な証拠を確保したら、騒音を止めてもらうために苦情を伝える必要があります。たらい回しに合わないためにも、苦情を伝える相手を明確にしておく必要があります。

解体・建築工事の場合はまず施主へ連絡を

解体・建築工事などの場合はまず施主へ連絡してみると良いでしょう。施主はその後もその土地を利用するはずなので、騒音によって悪い評判が立つのを避けたがる傾向にあります。現場や施工業者に直接伝えても良いですが、「工事だから音が出るのは仕方ない」としてまともに取り合ってもらえないことがあります。また苦情を伝えたという記録を残しておくと、訴訟に発展した場合に有利です。

 

工場の場合は操業主へ

工場から出る騒音の場合は、現場の人間に言っても埒が空きません。工場を実際に稼働させている操業主へ連絡する必要があります。

 

ダメなら自治体や警察へ

施主や現場・施工業者、操業主など騒音を出している相手方に直接苦情を伝えても改善されない場合は、自治体か警察へ連絡しましょう。ほとんどの自治体には、騒音に対する相談窓口が設置されています。あまりに騒音がひどく耐えられない場合には、躊躇なく警察へ通報しましょう。緊急性のない相談の場合には、110番ではなくホットライン「#9110」にかけてみると良いです。

 

弁護士へ相談

自治体や警察など公的機関に相談すると同時に、各自治体の無料相談でも構いませんので、弁護士への相談もおすすめします。騒音トラブルは感情的に拗れやすく、訴訟に発展することもままあります。訴訟までは考えていないという場合でも、専門の騒音測定業者に依頼し、お困りの騒音が我慢するべきレベルのものなのか、また訴訟を起こした場合の費用対効果などについてアドバイスをしてくれます。施工会社や工場の操業主に対し申し入れをする場合、個人名義よりも弁護士名で申し入れをする方が、誠実な対応をされることが多く、騒音改善に高い効果が見込まれます。

騒音トラブルを相談する際のポイント

工事業者や自治体・警察などの公的機関、弁護士に相談する場合は、お困りの騒音の内容を、とにかく具体的・客観的に伝えることを心がけることが大切です。騒音トラブルでストレスを抱えている方は非常に苦しんでいることも多く、自分がどれほど苦しいのかを感情的に訴えるだけということも多いですが、

特に弁護士に相談する場合は時間当たりの料金が明確に定められているため、ダラダラと気持ちを訴えても解決に結びつかず、お金の無駄となってしまいます。また無料相談では時間が厳格に決まっているため、本題に入る前に持ち時間が終わってしまいます。特に裁判を考えている場合には弁護士費用などの出費が想定されるため、少しでも出費を抑えるためにも、騒音の程度と今後の希望(騒音を止めるためには裁判を辞さないのかなど)を端的に伝え、取り得る手段を教えてもらうのが合理的です。

 

工事に伴う騒音トラブルを法的に解決する方法

工事業者の作業音など、業務に伴う騒音トラブルを法的に解決するには、2つの請求を行うことができます。これらの請求が認められるためには、騒音が「受忍限度」を超えていることを証明する必要があります。

 

受忍限度とは

受忍限度とは、簡単にいうと「お互いに社会生活を営む中で、ある程度は我慢することも止むを得ない」ということです。どのくらいの騒音を我慢すべきとされるかはケースごとに異なりますが、騒音レベルや持続時間、事業の公益性、また被害者に身体的な変調が出ているか、地域の元々の騒音レベルやどちらが先に住んでいたか、相手方が誠実に対応していたかなど、さまざまな要素を考慮して総合的に判断されます。

 

請求① 差止請求

差止請求は「騒音を出すのをやめて下さい」という請求です。差止が認められると、業者側は営業・事業ができなくなってしまうため、特に悪質な場合にのみ認められる傾向にあります。

 

請求② 損害賠償請求

もう1つは,損害賠償請求です。これは「騒音によって被った損害を賠償して下さい」というものです。ここでいう損害としては,精神的な苦痛に対する慰謝料の他にも,騒音に悩んで通院したような場合にはその病院代なども考えられます。

 

工事業者の作業音にお困りの場合は、弁護士を上手に活用しましょう

騒音トラブルは、解決を先延ばしにしても良いことはひとつもありません。「うるさすぎて辛い」と思ったら、早めに弁護士に相談してみましょう。」


この記事を監修した人

平松剛法律事務所 東京事務所

https://www.hiramatsu-go-law.com

弁護士

小林 義典 Yoshinori Kobayashi

弁護士は敷居が高いとお考えの方もまだまだ多いと思いますが、些細なご相談から思いがけない解決を導けることも多くあります。
ご自身だけで抱え込まずに、是非一度ご相談いただければと思います。

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